「従業員への配慮が行き届いた企業は業績も好調である」という考えは、今や当たり前かもしれませんが、従業員配慮(Employee Engagement)と企業の業績向上の関連性の根拠を証明することは非常に難しいとされてきました。今回、グローバル人事コンサルティングであるタワーズ・ペリン(Towers Perrin)は、3年間に及ぶ調査でこの難題に挑戦し、根拠の証明に成功しました。管理職の能力向上以外にも従業員満足向上を促す方策があることが示されています。
タワーズ・ペリンの報告書『世界労働力調査(The Global Workforce Study)』の調査は今日存在するもので最大規模で、18カ国40組織に属す9万人の労働者を対象に実施されました。加えて、同社が持つ2百万人の人材データベースが活用されています。41社に対し3年間にわたるモニタリング調査を通して、従業員配慮に取組む企業は、業績が3.7%伸び、そうでない企業のマイナス2%と大きく差が開いたことがわかりました。
報告書では、企業が従業員に求めるニーズ(需要)と従業員がやりたいこと(供給)との格差を「エンゲージメント・ギャップ(Engeagement Gap)」と名づけています。そのギャップを埋める有効な対策について、3つの視点で検証されています。1)楽観・悲観主義者といった人的要因、2)上司や同僚などとの人間関係といった所属チームにおける要因、3)賞金や能力開発、リーダーシップといった組織的な要因です。その結果、「シニアレベルのリーダーシップ」「能力開発」「レピュテーション」などが最も強力なドライバーであることがわかりました。従来、「従業員配慮や業績向上は、全て上司(マネージャー)の能力に起因する」という神話が語り継がれてきましたが、依然として上司の役割は重要であるものの、上司以外にも有効な対策が存在すると証明されたことは新たな打開策として価値があるといえます。その他、従業員配慮を向上させるツールとして、シニア管理職向けのロール・モデル「インスピレーション、ビジョン、コミットメント」も紹介されています。
Engaged Employees Equal Increased Earnings
October 25, 2007
SocialFunds.com
[関 智恵]