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2006年から2007年にかけて、ウォルマートが、環境側面を中心した様々なサステナビリティ関連活動を急ピッチで進めています。10月10日に同社が開催した「サステナビリティ・サミット」では、2000人以上のサプライヤーが参加し、再生可能なプラスチックバッグ(レジ袋)の導入が発表されました。その他にも、梱包資源削減のための5カ年計画、パーソナル・サステナビリティ・プログラムなど、多種多様なイニシアティブが立ち上がっています。その背景にある<サステナビリティ360>と呼ばれる同社のサステナビリティ戦略と共にイニシアティブの一部をご紹介します。


[サステナビリティ・サミットを開催]
(Wal-Mart Live Better Sustainability Summit)

10月10日、「Wal-Mart Live Better Sustainability Summit」が開催され、2,000人以上のサプライヤーがアーカンザス州に終結しました。同サミットの狙いは、ウォルマートが掲げるサステナビリティ戦略に沿い、自社のみならず6万人を抱える巨大サプライチェーンを含めたエネルギー使用の削減、二酸化炭素(CO2)排出量の削減、ごみ資源の削減に取組む企業として、新しいイメージを打ち出すことにあります。

更にサミットでは、再生可能なプラスチックバッグ(レジ袋)が発表されました。サミットの開催にあわせ西海岸のウォルマートストアの店頭で活用が始まりました。再生可能なレジ袋は、"Paper or Plastic? Neither"というスローガンがプリントされ、黒色で、リサイクル比率は85%、2-3枚の使い捨てプラスチックバッグ分に相当すると紹介されています。消費者が使用しなくなったバッグは、店頭で回収しリサイクルに回されます。

サミットでは、「サステナビリティ・リソース・フェア(Live Better Sustainability Resource Fair)」」も同時開催され、40以上の小売店、製造業者、NGO/NPO、政府団体が参加し、サプライチェーンにおける環境活動促進のためのアイデアを出し合いました。参加者には、General Mills, SC Johnson、World Resources Institute、フェアトレード認証関連団体、、米国政府環境省(Environmental Defense;)など多種多様な団体が名を連ねています。


[ウォルマートのサステナビリティ戦略 <サステナビリティ360>]

このような活動の背景にあるのが、2007年2月に発表された<サステナビリティ360(Sustainability 360)>です。<サステナビリティ360>は、ウォルマートの事業戦略決定過程において、環境への配慮を中心課題に据えるためのプロジェクトです。同プロジェクトの核となるのが「グローバル・イノベーション・プロジェクト」の推進で、ここでは同社のアソシエート(提携者)やサプライヤーの思考の転換が求められています。つまり、彼らに店頭に並ぶ商品から、いかに「再生可能でないエネルギー由来の商品」を取り除くかをそれぞれが考え始めることを促すことを目的としています。

同社の説明によると、ウォルマートにとってサステナビリティ(持続可能性)という概念は、自社文化と一致するものであり、自社が掲げる目的達成のためにアソシエートが必要不可欠な役割を果たすことを示すものであるとしています。更に、全ての企業に持続可能な成長を遂げる機会が与えられている一方で、その前提として全ての企業に果たすべき責任があります。それは、持続可能な生活を営む人々で構成された持続可能な企業、持続可能な国を形成するという責任であるとしています。


[多種多様なイニシアティブ]

サステナビリティ・サミットの開催以外に環境側面、社会側面での取組をひとつずつ紹介します。

●製品梱包材削減のための5カ年計画
(five-year plan to reduce packaging)
Wal-Mart Launches 5-Year Plan to Reduce Packaging

製品梱包材削減のための5カ年計画は、約200名の政府、NGO、学術界、産業界の代表者から成る「ウォルマート・サステナブル・パッケージング・バリュー・ネットワーク」により先導されています。「私たち単独では達成不可能です(We Know We Can't Do It Alone)」と、自らホームページ上でも語っているとおり、ウォルマートは、NGOのみならず、政府、企業といった様々なステークホルダーとのパートナーシップを駆使して初めて環境活動が遂行できるとと捉えています。5カ年計画自体が始動するのは、2008年となる予定で、2007年9月26-28日にかけてニューヨークで開催された、クリントン元米大統領が率いるクリントン・グローバル・イニシアティブで明らかになりました。


●従業員向けパーソナル・サステナビリティ・プログラム
(PSPs: personal sustainability programs)
Wal-Mart Expands Employee Sustainability Projects

PSPsは、従業員が引導する取組で、個人の健康づくり、環境配慮意識を向上を目的としたプログラムです。具体的には、健康に良い食事を選択するための知識、コミュニティでのボランティア活動、家庭内での環境配慮型商品の活用などが含まれています。2006年7月にデンバーとインディアナポリス地域の8店舗でパイロット的に実施された後、10月に130店舗に展開。2007年には米国内アソシエーツ(提携者)130万人を対象に実施する計画で、長期的には海外展開も視野に入れています。

その他のイニシアティブとして、倫理活動推進のためサプライヤー向け監査の徹底、環境配慮型商品(リキッド洗濯洗剤の販売)へのコミットメントなどがあります。




従業員向けパーソナル・サステナビリティ・プログラムは、従業員が基点となり、顧客、家族、地域へと、「個人の持続的な活動(personal sustainability)」を推進させることを目的としている点で、通常の従業員向けプログラムと大きく異なっています、これは、活動の成果が社内のみならず社外へ波及する影響が大きいと考えられます。

ウォルマートの活動は、社内の環境・CSRマネジメントシステム構築や、従業員への配慮のみならず、サプライヤーや環境配慮商品にまで幅広く一気に展開しており、そのダイナミックな動きは巨大企業ならではといえます。今後はウォルマートのそれぞれの活動の成果や継続性について注目していく必要がありそうです。しかし、ビジネスモデルの根幹に関わるサステナビリティ戦略について、より効率的・効果的に、更には海外展開を見越して実行するにあたり、企業単独でできる対応への限界を潔く認め、パートナーシップを重視する点は日本企業にも学ぶ点が多いのではないでしょうか。


・ウォルマート・サステナビリティ・サミットについて
Report from Wal-Mart Sustainability Summit: 'In it for the Long Haul'

・ウォルマートのレジ袋("Paper or Plastic? Neither")
Sustainable is Good - Walmart's new Reusable Bag

・ウォルマート・サステナビリティ・リソース・フェアについて
Learn About the Live Better: Sustainability Resource Fair

・ウォルマートのサステナビリティ戦略<サステナビリティ360>について
Wal-Mart CEO Announces Company-Wide Sustainability Plan



[関 智恵]

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